商業写真やブツ撮りは別かもだけど、意図せず「そう映っちゃった」写真てのがあり、それを選ぶかどうかでその写真家の真価が問われる気がする。土門拳という巨匠写真家は、計算しつくして高度すぎる技術で撮っても「そう映っちゃった」写真が良いという。それは鬼が手伝ってくれたと表現している。
レコーディングでも意図せず「こういう演奏になっちゃった」「ズレちゃった」「こんな音になっちゃった」って思惑と違う結果になることが多いけれど、そういうのこそ自信持って採用すると後から聴いて「これがいいのよ」ってなることが殆ど。ズレかと思っても全くズレて聴こえなくなる。
レコーディングでは演奏した本人ほど重箱の隅をつつくようなジャッジになってしまいます。こまかいところを気にしすぎると大きな流れや魅力が削がれてしまう可能性が出てくる。
自宅レコーディングやセルフレコーディングではこういったことに気をつけねばなりません。みんなで作業するということには、価値観の画一化を防げるという大事な側面があるのです。
なので『バンドレコーディング』であるならば尚更メンバーの演奏をお互いにしっかり聴きましょうよ。そして、つまらない音楽はなぜつまらなく感じるのかをもっと考えたいです。