レコーディングエンジニアの心得として、教本に書いていそうで書いていない一番大事なことは、一番僕が心掛けているのは、演奏者と気持ちを一つにすることでしょうか。
どんなサウンドが欲しいか、どんな演奏にしたいか、いや、どんな音楽にしたいのか、を共に考えます。
そうすると自ずと使うエンジニア面のテクニックは決まってきます。
単にマイクや機材のチョイスやマイキングという意味ではなくて。
最近良くご一緒する超ベテランの、アーティストとしてCDを何十枚も作って大ヒットばかり飛ばしているドラマーさんに言われて良かったのは、
「しかまやりやすいわ(エンジニアとして)。ただの前ノリベーシストかと思ってた。悪い悪い(笑)」
まあ、その兄貴とは付き合いも長いのでまぁそうといわれればそうなんですけど、エンジニアとしては初で。
そのアニキとは楽器や楽曲を基に、タムの口径のチョイス、スネアやヘッドのチョイス、チューニング、シンバルのチョイスや果ては叩き方まで忌憚なく遠慮なく意見を言い合ってレコーディングできました。
「スネアのロー足んなくないすか?」「やっぱそう思う?だよなー」
「シンバルのチンチキが目立ちますなぁ」「オケ、叩き方変えるわ」。。。。
みたいなやりとりを沢山することでサウンドや演奏は良くなるのです。しかもそれらの意見は二人ほぼ同時に感じて、しかも合う(笑)
ただ、やみくもにドラムのチューニングやチョイスについて意見しても認めては貰えません。アニーキは百戦いや千戦錬磨です。
単に楽器に詳しくあるべきでなく、ドラマーという人種が大好きで常に一緒に演奏したり彼らを観察したりコミュニケーションやノミニケーションを沢山して来た事が何より活きている気がします。
で、そういった時にいつも言われるのが、
「しかま、マジで?これマジでEQしてないの?マジ?コンプも?マジ。
すごいじゃん」
著名なエンジニアさんばかり何十人と仕事して来たであろう方がそうおっしゃいます。
世の中どんだけEQで出来てんねん!
こういう話はドラムだけでなく全てにあてはまると思っております。