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江戸前でのドラムのレコーディングのスタジオテクニック

江戸前での基本的なドラムサウンドの作り方ですが、まずクライアントやドラマーとしっかり目指すドラムサウンドを相談•面談してイメージを共有します。実際の現場では私が中心となり7つのセットや30台のスネアと膨大なシンバルから楽器を厳選します。

その上で基本のドラムチューニングの方向をドラムチューナーに伝え作ってもらいます(ドラムチューナーオプションありの場合)。エンジニアリングの範疇であるEQやコンプ的な処理、つまりサウンドの抜けや低音域の量、サステインなどの調整はプラグインを一切使用せずチューニングとマイキングで追い込みます。
結果95パーセント以上の割合でEQを使う事はありません。

ここで重要なのは江戸前では楽器まで含めた『チームのようなもの』で音作りをしているため、エンジニアがドラムチューナーや楽器に遠慮しなくていい環境であるということ。また逆もしかり。

本来ならエンジニアが効率やスピードを優先し(またはエゴも含まれるかも)、現場の気心の知れないスタッフやメンバーに遠慮し、手元のプラグイン等で処理してしまう事を徹底的に「放棄」または「回避」、いや「拒否」する事が出来る点です。

音響的な全てのコントロールは楽器とチューニングで仕上げます。ここの帯域がこもってるなとか、ハイの抜けが足りないな?とかそういった音響的要求や補完、修正は全て楽器レベルで対応します。それは楽器をチェンジしたり、チューニングの仕方を変えるとかの根本的な方法なのです。

エンジニアがプラグインを自在にいじるように、クライアントと奏者の求める音を具現化するために楽器とチューニングを指示、指定しコントロールします。

そういう楽器サウンド本来のカタチでドラムサウンドを構築します。スタジオの響きや機材、マイキング、楽器そのものまで一体化したコンセプトであるからこそ実現する異次元のレコーディング。

江戸前レコーディングスのドラムサウンド。
一度お試し下さい。

アマチュアや初心者の皆さんほど是非体験してみてほしいです。
以後の音楽活動が「変わり」ますよ。
(^。^

やっと春が来たね。。。photo by EDo-mae

やっと春が来たね。。。photo by EDo-mae

スネアのチューニングが悪いとビートが安定しない話。

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みなさんスネアのチューニングの重要性はご存知とは思いますが、レコーディングをみていますと意外とみなさんテンションボルトの回し具合は『ざっくり』しているようです。

外部からの持ち込み音源のmix時によくあるのですが、スネアの音色が一定しない、叩くごとに倍音構成や和製的意味のピッチが上下したり波打ったりしているのです。これはどんな状況かというと実は弦楽器を耳でチューニングする時に2本の弦をハーモニクスで鳴らしてる状況に似ているのです。

もちろんピッチが揃わなくては波打ちますし、ペグを回せば上がり下がりする。まさにその状況が起きているのです。

これはおもに表ヘッドのテンションのかかり方がボルトによって一定ではない時(テンションの位置で叩いた時にそれぞれのピッチが揃っていない状態の時)に起きる現象です。さらに叩く位置が不安定だとさらにその打点の位置に近いボルトのピッチに寄ってしまいます。またボルトごとの音程が揃ってないと2本の弦よろしく音が波打ってしまいます。

ここまで露骨に酷い状況でないにしても、耳をこらすとショット直後は一瞬濁っていてその後音色が安定するという状態もよく耳にしますが、それも各テンション位置の音程のわずかな不揃いから起こるようです。ライブでは気にならないかもしれませんが、レコーディングではとても気になってしまいますね!

いろんなチューニング手法があるとは思いますが、揃えるならば徹底的に揃えないと濁ってしまいます。叩いている本人は爆音で気がついてないことが多いものですが、是非プレイバック時に気をつけて聞いてみてください。特にショット直後の濁りについて。

で、なんでチューニングが安定しないとビートが安定しないのか?それはオケの中で聞こえやすくなったり聞こえにくくなったり音量感が安定しないように聴こえてしまうからです。ショットを安定させましょうというのと同じ理由です。

と、まぁ、日頃のチューニングの精度を上げていくことは演奏を良くすることにもなるんですね!

 

 

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メ○ルス○アのmix。

だだいまスネアのmix中なのですが(ってスネアだけじゃなく曲ですねwww)いろいろめんどくさい処理が必要となっています。普段パーフェクトな状態の録音なら(つまり楽器のチョイスとチューニングがしっかりしていれば)、特殊音像にする場合以外はスネアにプラグインなぞ95%の割合で不要なんですよね!
しかし今回は写真の通り。。。。負け(負けってwww)つうか、外部さんで録ったやつなもので。。。

ここでひとつドラムレコーディングの重要点、スネアの音造りについてのヒントを。
スネアの音、特にアタック感や密度感はマスタリングでかなり変わってきます。かならずソレを想定した音造りをしましょう。ヤリすぎては完成時にがっかりすることになります。(硬い音にしすぎない事だよ!)

それと意外とカンカンしたスネアは抜けてきません。
抜けとは『カンカン成分が多くて一見目立つ』ということではなく、
『実体がしっかりそこにある!』感です。
そこを取り違えている人があまりに多いですね!(mixが『カンカン』部分がどのぐらい聞こえるのかという基準になってしまい、相対的にmid~lowが小さくなる故)



蛇足ですがベースサウンドでも全く同じ。
ハイ成分が多い一見『抜け』が良いハイエンドベースにありがちなのですが、
問題は『スタジオでもステージ上でもしっかり低音でアンサンブルを支えている』
感と、『ベースがまさにここにいる!』感がしっかりあるのかどうか?
それが『抜け』なんだとおもいます!

そこ、勘違いしてる人がいるような気がします。
楽器屋さん、演奏者さん、楽器職人さん、エンジニアさん含め一定量的に。

 

あ、メタル、関係なかったか(笑)
 

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