ドラムサウンドは時代を表す。

街で「まんまるメガネ」ってなファッションが何十年ごとに再び流行るように、ドラムサウンドにもその時代なりの流行り廃り、輪廻があります。
だが、サウンドの志向は繰り返してるように見えてしかし成長しています。

スティーリーダンのような程よくアナログ感のあるハイファイサウンドなんてのは永遠のスタンダード。ひたすら上質を目指す音姿勢。
逆にひところ流行ったようなデジタルデジタルしたちょっと固めのニューヨーク系サウンドは今は悪い意味で古臭さを感じざるを得ないです。


ドラムレコーディングの世界ではクエストラブが出て来たあたりから、ドラムサウンドにも実験性が出ててきました(そりゃもちろんリンゴだってやってましたけど)。楽器のチョイスやチューニング、そしてレコーディングエンジニアリングに一癖二癖持たせる。しかもドラマー本人がサウンドをプロデュースする。ただキャンバスに緻密に写実性だけで描くだけでは得られない音の質感をめざす姿勢。

楽器自体も進化してるので、ハイファイでありながらもビンテージの深さみも持つというようなサウンドも見かけるようになってきました。(製品としてはその逆のコンセプトのものはあまり見かけませんけど、あ、keetとかかな)クリスデイブの新作などは今の楽器でビンテージなチューニングを施し、最新の演奏アプローチをしているっていう感じですし。

しかし、この辺はエンジニアリングの進化も関わるのです。もともとレコーディングエンジニアは特に日本ではその仕事の立ち位置としては『受け身』の美学みたいなところがありますから。ところが世界一優秀でドラムを理解しているドラマーがエンジニアとしての技法とセンスを持ち音楽を作る時代。。。。

このようにドラムという原始的な楽器なのに、常に進化して深化してる。海外では。

("海外では"。時間を潤沢にかけて (つまり金かけて)、いろんな楽器やチューニングや録りかたを追求する。まぁなかなかできませんね。。。)

このようにドラムサウンドが進化するのはなぜか、それは逆に原始的なモノだからかもしれない。
 

小口径ドラムセットでクリエイティブなサウンドを作るなんてのも、なかなか現代的であるとも言えるかも。

これからあげるサンプル音源は16インチのバスドラのシライkeetのセットです。

このサウンドはEDOMAELOOPS 神田リョウeditionに収録されているのですが、

そのLOOPで曲にしたものがこれです。日本のもっとも古い音世界の琵琶と今ぽいドラムサウンドって、合うんですよ。『歌』というより『語り』なVocalとも。


私は、ドラムそのものでの次元 (時点) でクリエイティブな『音作り』をしたい。
様々なサウンドを積極的に採り入れていきたい。
アーティストが、許すならば。
というか、許容するならは。

というかそのドラムサウンドがそのアーティストを生む、くらいの順番であってもなんら問題ないと思いませんか?