ドラマーの人気とドラムサウンドの関連性の話し。
みんなどんなドラムサウンドが好きですか?
タイトな?ドカーンとしたやつ?
甘いやつ?辛いやつ?
ドラムはアコースティック楽器でマイクを通してさらにミキサーやスピーカーを通して聴くことが多い楽器ゆえ、マイキングやミキサーとかの「都合」に上手く調和させて発達(または退化)して来た経緯があります。
そう、ドラムサウンドの変遷はコンサートの大型化と無関係とは言えないのです。
東京ドームでドラムを鳴らすとどうなるかは想像できるでしょ?パシってやってもパーァぁぁぁーン!
みたいな。
現代のドラムセットはそういった大型な会場での聞こえをかなり重視します。大手ドラムメーカーの主たるエンドーサーがそういったクラスのドラマーになることは色々なカタチで自然なわけですし。また、人気ドラマーのほうが宣伝効果は大きいですからね。そしてそういった「ステージ」で活躍するドラマーの意見を多く取り入れ製品を開発するのも当たり前のことと言えます。
ただ、本来音楽に求められるドラムの音質とそれが一致してるかは、人やジャンルによりわからないものです。
とあるドームクラスのドラマーはそこには多いに悩んでいました。
現代のドラムセットでは自分たちの求める音楽に本来合うサウンドは出ないと。
(しかもボーカリスト氏がやたらドラムにうるさいらしい(笑))
それはストラトにレスポールの音は出せないみたいな話しです。流行りとしてストラトばかりになってしまってると。(実際のギター業界はしらん(笑))
誤解を恐れず言うと、ドラマーは本来出したいサウンドを出せずにいるのかもしれないなって。
PAさんとかからも(残響多いから)チューニングをもっとこうしてくれ、こういうドラム使ってくれってオーダーが来てしまいますし、結構そういう要求は絶対的だったりするし。(エンジニアさんが言うんだからそうなんだなって思ってしまう効果。人気あるドラマーでも先輩の業界人の話しはよく聞きますもの。謙虚な人だから人気出るし可愛がってもらえますしね。しかしそれとこれとは別な話し)
レコーディングを振り返ってみてもそういう「いい音」を出しても勝手にカットされちゃったりするし。
ドラマーが大きい会場でやるようになればなるほど、必然的にタイト目なサウンドが「現場で」要求されてしまうことが、いつのまにか本来自分の好きな。そして出したい音とはかけ離れていってしまってる可能性は大いにあると思います。
また、その人その人のドラムサウンドとは本来経験の中でアップデートされていくものだと言えますが、あれよあれよとビッグになってしまったドラマーはそこをすっ飛ばして「大型ステージ向けの楽器」に定着してしまうこともある。
レコーディングなら色々試せるわけですが、実際何セットも手配してスタジオに持ち込むのは今時難しいところもあるし、ドラマーがほんとにいい音に気がつく環境ということについて、本当に早急に考えなくてはならないなーと思います。
みんな一台づつドラムセットを所有して、ライブも毎回持ち込みで、バンド入れ替え時のスピードや手際の良さ(チューニング含む)まで「見られてしまう」アメリカのドラマーがいかに厳しくかつ、いい環境で育っているか。
こりゃ日本のドラマーは追いつかないですよ。
みんなで考えないと!
みんなで!
↓日本一ドラムの事ばかり考えいる方の一人。「さあお前も一緒に考えるんだ!!!!」
photo by 江戸前。
※今月発売のドラムマガジンでは工藤義弘さんの素晴らしすぎるドラムサウンドとソロの演奏が聴けますよっ!