レコーディングでのミュージシャンの自信のなさと自身に対する度量の話し。
ミュージシャン(特にアマチュアに多い)にはよく謙遜してなのか、それが日本人の美徳なのかわかりませんが
「いまの演奏、良かったのか悪かったのか、自信がない。」
「いまの歌、まぁ歌えてるけどピッチが不安定なところが多く、いい歌に思えない。」
「勢いがあるドラムだけど最後少し走って雑な感じになってるのがどうしても嫌でやりなおしたい」
等々でゴネる人がいます(笑)。
そんな時周りのメンバーやスタッフは
「いやいや、そこを含めとってもいい演奏だからこれで行こう!これが最高」」って思ってることが圧倒的に多いのですが、その周りの人がいいと言ってるのに耳を傾けないような「人格」がその人の素晴らしい音楽性に傷をつけてる状況にレコーディングでは良く遭遇します。
みんながいい演奏だったと気持ちよくなってるのに、ひとり反対するかのように自信がないとか単に演奏の精度がとかで、水を指す。
これはレコーディング自体のムードを悪くするし、周りの人間から見ても作品のイメージをとても悪くする行為。
なんて勿体無い人なんだろう。。。
ドラムに例えるならば、そのちょっと走るぐらいの前のめりなビート感がとても魅力的で個性になっててカッコいいドラマーがいるとすると(もちろん日頃もっといい演奏が出来るように努力してるドラマーであるとして)、
「うん、少し走ってるけどこれはカッコいいよね!」と、言える人格な人だととっても器が大きなミュージシャンぽくてカッコいい。
しかし、
「いや、あそこのこの部分が◯◯で。。。」なんて、自分に対しての度量が小さい人だったりするとほんとにその人の音楽までつまらなく思えてきてしまう勿体無さ。
ドーンと自信持って構えてるミュージシャンと、自信なさげにチマチマやってるミュージシャン。どっちが素敵ですか?と。
たまーにそういう残念なミュージシャンがいるので、注意したほうが自分の為ですよ。
人が良いって言ってくれてるのを受け入れて「ダマされる」能力を持ったミュージシャンのほうが音楽もプロジェクトも上手く行ものです。
※スタジオミュージシャン系の現場だとある意味真逆で、周りがいいと言えばそれで万事オーケーという場合が比較的多い。けどもちろんその中でも音楽をちょっとでも良くする為にストイックにテイクを重ねる人がいて、それは現場の性質にもよりますが、ある程度テイクを重ねて「いろんなアプローチを試してくれる人」の方が逆に信頼出来るってのもあります。
そこの現場での物事の進め方こそ実はプローデューさの度量だったりするわけですが。
一発オーケー当たり前のミュージシャンだけど時間に余裕持ってスケジュールを組んでいるか?とかね。。。