『着崩れない』はいいドラムサウンド
最近、着物の女性を写真に撮らせて頂く機会が多いのですが、まず着物の写真を撮るには「朝の着付けとヘアセット」から始まります。
都内ですと主に銀座界隈の職人さんのところに行ってお願いすることが多いですね。
銀座ですと、土地柄日頃夜のお仕事のママのセットをやってらっしゃるわけで仕事にもそりゃ厳しい(当たり前)。食からブランドからなんでも一流な街ですからね。
で、一通り写真撮って夕方になりますと。だいたい会話になるのは。
「やっぱプロの着付けは崩れないわ。全然襟周りや帯周りが朝のままやし」
これです。ヘアセットしかり。
着物は凛として美しくあるだけではなく、その着ている女性の気持ちいい緊張感を一日中キープさせる役割もある。
だから、着物さんの方から崩れるわけにはいかないのですね。
これこそまさにプロの仕事。
ただパッと見で美しいとか表層だけカッコいいというのではそれはプロの仕事ではありません。
包丁一つとっても何年も何十年も研いで使っていけるか?(ここは包丁職人や鍛治師の丁寧な鉄を鍛える仕事にかかっているわけで)
ドラムにしても長いあいだのパワーショットに耐えられる構造なのか?長い年月で歪まない木材を丁寧に加工してるのか。。。。ギターならネックは長年にわたりまっすぐに安定できるか。。。
(ソニータイマーのように、時間が来ると壊れる設計になってるのは論外です! だからソニーは凋落した)
音楽や写真でも何年何十年たっても鑑賞に耐えられるか?いつまでもエバーグリーンでいられるか、です。
どうせなんか作るなら長い時間を使ってもらいたいじゃぁないですか?で、そこにはモノへの愛情と丁寧さが必須になってきます。
音楽作りってそういうもんです。
ちなみに、ドラムレコーディングでいいますと、しっかりレコーディングされたドラムサウンドというのは、
ベース→ギター→キーボード→ボーカル→コーラスetcと音を重ねていくほど何にも処理しなくてもどんどんいい音になっていくんですよ!
知らないでしょー?(笑)
これは時間が経っても全く崩れてこない一流の着付けや髪結いと一緒なんです。
そういうものはプラグインとかでは作れない。
そして化学調味料では作れないというのは、なんとなくみなさんもお判りになるのではないでしょうか。
ま、化学調味料の塊の『日清カップヌードル』みたいなのもありますけどねぇ(笑) これも永遠であります。。。